あがり症をはじめとする社会不安を克服するための方法としてエクスポージャー法が有効だという話を聞きました。エクスポージャー法(曝露療法)について詳しく教えて下さい。 |
自分が不安を感じている状況にあえて身をさらす訓練のことをいいます。
英語のexposure(エクスポージャー)とは、直訳すると、(日光・風雨に)さらすこと。あるいは(秘密・悪事などの)露見、暴露、摘発などを意味します。
別のよくあるご質問のなかで、認知行動療法を行う上での重要なポイントのひとつ、「逃げ出さない」ことだという話を紹介しましたが、
社会不安を抱える人が何かから逃げ続けている限り、その怖れをなくすことは決してできません。そこで、あえて不安を感じる対象に立ち向かっていくことでその不安を軽減しようというのがこのエクスポージャー法と呼ばれるものです。
エクスポージャー法の具体的な手順は以下の通りです。
エクスポージャー法の手順
1.問題点をはっきりさせる | 「どういう状況に置かれると、社会不安を感じるようになるか?」 |
2.不安を感じる状況をリストアップする | 「これらの状況には、たとえばどういうものがあるか?」 |
3.リストアップした状況を、難易度順に並べ替える | 「不安がいちばん小さいのはどの状況か?また、もっとも避けたい状況はどれか?」 |
4.エクスポージャーの準備をする | 「これらの状況に立ち向かうために、何を受け入れなければならないか? |
5.エクスポージャーの計画をたてる | 「どういう順序で、どういう時に行うか?」 |
6.エクスポージャーを実行する | 「思いきってやってみよう」 |
7.結果を評価する | 「うまくいったのはどういう点か?改善すべき点は?」 |
8.継続する | 「何度か成功することで、別の状況にも挑戦できるようになるだろう」 |
他人がこわい あがり症・内気・社会恐怖の心理学(クリストフ・アンドレ、パトリック・レジュロン著、紀伊國屋書店)より