私は、自分が決めたことを粘り強く継続できません。なぜこんなふうになってしまうのでしょうか? |
自己評価を形成する三本柱の一つである“自分を肯定的に見ること”が十分ではないためかもしれません。
あがり症と自己評価は非常に密接な関係にあり、あがり症を改善していくうえで重要なポイントの一つとなるのが自己評価です。
自己評価を形成しているものは「自分を愛すること」、「自分を肯定的に見ること」、「自信を持つこと」の三本の柱(側面)です。
「自分が決めたことを粘り強く継続できない」のは、この三本柱のうちの“自分を肯定的に見ること”が十分でない結果だといえます。
以前、あがり症をはじめとする社会不安を感じるようになる要因は、大きく三つ「生物学的要因」、「心理学的要因」、「社会学的要因」がある、という話をしたことがあります。
ただ、「自分を肯定的に見ること」の場合、「生物学的要因(遺伝)」や「社会学的要因(時代、文化など)」はあまり大きなウエイトを占めません。この場合、むしろ「心理学的要因(家庭環境や過去の経験)」が大きな要因になっているといいます。
両親はほとんど無意識のうちに、自分たちができなかったこと、果たせなかったことを子供にさせようとします。そして、両親に育てられる過程において、“その両親の期待に応えられるかどうか”。これが「自己を肯定的に見られるかどうか」を大きく左右するといわれています。
あなたは過去に、習い事や受験勉強、就職活動、社会人になった後のキャリア形成などの場面において両親の期待を受けた経験はありますか?そして、それらの場面において両親の期待に応えることはできたでしょうか。
自分の能力以上の期待を両親からかけられてしまった。
両親から期待され、能力を信じてもらえたが過剰だった。
こうなってしまえば、自己評価を形成する三本柱の一つである“自分を肯定的に見る力”を十分に育てることはできません。
「自分を肯定的に見る力」を十分育てることができなければ、それは後々「自分が決めたことを粘り強く継続できない」状況を作り出してしまいます。
子供の頃に両親の期待に応えられるかどうかが「自分が決めたことを粘り強く継続できるかどうか」を大きく左右するのです。